圧電組紐とは

圧電組紐とは、引っ張り・ねじり・ずりの動きによって電圧を発生する、「紐状」センサ。日本で長く研究されてきた「圧電性高分子繊維」に、「伝統工芸 組みひも」の技術を取り入ることで生まれた、「圧電組紐」。圧電性とは、誘電体に応力を加えると電荷と電圧が発生する現象で、この性質は昔から無機圧電材料を利用した応力・加速度センサとして広く利用されています。

圧電組紐

光学活性な圧電性繊維と絶縁繊維からなる2つの薄い被覆糸で構成されています。2つの繊維束は、交互に、かつ螺旋常状に交差し、編まれ、製織されている巻芯(導電繊維)に巻き付けられています。さらに,十分な電磁波遮効果を付与するために、導電性繊維からなる2組の広域繊維束を編組し重ねています。これは、同軸ケーブルの遮蔽構造を疑似していて、低ノイズ、高感度を実現します。また、光学活性圧電性繊維は焦電性をもたないので、環境の温度変化にも耐性があります。

圧電組紐 デニム生地に刺繍した圧電組紐
圧電組紐 生地に縫い付けた圧電組紐の電圧を計測

圧電組紐の高度な屈曲性が生む「結び」は他に類をみない機能を生みだします。
圧電組紐は、運動の大きさに応じて電気信号を発生します。例えば、体操などの大きな動きをすると大きな信号が発生していますが、そのとき、脈動の小さな動きに伴う信号は体操の動きに起因する大きな信号に埋もれて、検出できなくなります。

このような場合、普通は脈動を分離するために、PCに複雑なソフトを搭載するか沢山の回路を組みわせた装置を用意しないといけません。

しかし、圧電組紐は結びによって電気信号を発生する運動を選択することが可能なので、圧電組紐を用い「飾り結び」や「刺繍」を施すことにより、PCや多数の回路が不要になります。これが他のセンサに見られない稀有な特長です。

モーションセンシング

「引っ張り」「ずり」「ねじり」といった動作に、圧電組紐の電気信号はそれぞれに応答します。

  • 圧電組紐

    引っ張り

  • 圧電組紐

    ずり

  • 圧電組紐

    ねじり

センサーの結び方

伝統工芸くみひもの飾りむすびにおける、「糸と糸の関係」を圧電組紐の構造に利用することで、複雑なシステムやPCを利用せずに選択的にセンシングできます。

  • 圧電組紐

    刺繍

  • 圧電組紐

    組紐

  • 圧電組紐

    ブレード装飾